アンティークロレックスには、えてしてこのような高額モデルが存在します。

2020年明けてほどなく、ある報道がアメリカ全土を騒がせました。

元米軍兵士だった男性が1974年に約3万8000円で購入したロレックスが、現在価格で4400万円と鑑定された、と。
アンティークロレックスには、えてしてこのような高額モデルが存在します。創業から100年余、秘密主義を徹底してきたスーパーコピーロレックスは、いつも収集家たちの注目の的であったためです。
そんなアンティークロレックスの中でも、最も存在感を放つのがデイトナでしょう。

デイトナもまた数々のレア仕様が存在しますが―あるいはスポーツロレックスの中では製造数が少ないにもかかわらず最も煩雑と言える―、ロングセラーにしてアンティーク市場で不動の人気ナンバーワンを誇るのは、手巻きデイトナ Ref.6263です。

実はこの6263が、今入荷しております・・・!
しかも、時計自体も付属品もきわめてオリジナルの状態に近く、当店のアンティークに精通したバイヤーも息を呑むほどなのです。
この記事では、アンティークロレックス デイトナ Ref.6263を解説するとともに、当店入荷個体のレアリティをお伝えしていきます。

ロレックス デイトナ 6263
製造期間:1970年頃~1988年頃
型番:6263
素材:ステンレススティール(YGはRef.6263/8)×ベゼルはプラスティック
※ステンレスベゼルはRef.6265
ケースサイズ:直径37mm
駆動方式:手巻き
ムーブメント:Cal.727/毎時21600振動
防水性:50m(当時。ただし1980年代にはいると100m防水にスペックアップ)

6263は、手巻きデイトナの最終型です。歴代デイトナの中では、第三世代に当たります。
1988年にはロレックス初の自動巻きクロノグラフRef.16520がリリースされると同時にロレックスカタログから姿を消すこととなりましたが、この最終型は約20年にわたって製造され続けていたことを意味し、デイトナで最も息の長いモデルでもあります。

ちなみに、かの有名なポール・ニューマン氏が1969年の映画「レーサー」で着用していたのが6263です。そのためポールニューマンモデルの一つとして挙げられ、コレクターズアイテムとしても非常に高い注目を浴びてきました。

こういった背景から、第一世代・第二世代を超えて人気の高いデイトナとなります。

収集家でなくとも、1970年代~1980年代頃に製造されてきた個体はメンテナンスされていれば実用に問題のないコンディションを保っているものが多いこと。加えてロングセラーゆえに流通量が少なすぎるといった事象はないこと(もっともハイエンドモデルであるため、エクスプローラーI 1016やサブマリーナ 5513ほどの製造本数ではありませんが)等が大きな理由です。

したがって相場は高め。
もちろんコンディションにもよりますが「どんな個体であっても最低500万円は超える」とも言われています。
大体の相場は1000万円前後~でしょうか。
なお、冒頭でご紹介した元米軍兵士の男性が所有していたのが6263でした。
状態が新品同様で、かつ付属品もオリジナルのまま残されていたことから、4000万円超えの評価を受けることとなりました。